【2026年】薬学的有害事象等防止加算が新設。重複投薬・相互作用等防止加算が削除

2026年の診療報酬改定(調剤報酬改定)で、調剤管理料の重複投薬・相互作用等防止加算が削除となり、代わりに残薬調整以外は薬学的有害事象等防止加算を算定することになります。

目次

薬学的有害事象等防止加算

薬学的有害事象等防止加算はイ〜ニの4つのパターンがあり、30点〜50点です。

薬学的有害事象等防止加算点数
イ 在宅患者へ処方箋を交付する前に処方内容を処方医に相談し、処方に係る提案が反映された処方箋を受け付けた場合50点
ロ 在宅患者について処方に変更が行われた場合(イの場合を除く。)50点
ハ 区分番号10の3に掲げる服薬管理指導料の注1に規定するかかりつけ薬剤師による照会の結果、処方に変更が行われた場合(イ及びロの場合を除く。)50点
ニ イからハまで以外の場合30点

厚労省の告示では以下の文章とあわせて公表されています。2024年の告示の文章と比較すると、薬歴で確認する場合以外に、いわゆる電子処方箋の内容が新たに記載されていますが、それ以外は大きく変わらず、医師に照会して変更があった場合という前提条件になっています。

10の2 調剤管理料

4 薬剤服用歴、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律に基づく電磁的記録をもって作成された処方箋の仕組みを用いた重複投薬の確認等に基づき、処方医に対する照会(残薬調整に係るものを除く。)の結果、処方に変更が行われた場合(別に厚生労働大臣が定める保険薬局において行われた場合を除く。)は、薬学的有害事象等防止加算として、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。

調剤点数表 令和8年 厚生労働省告示第69号

従来の令和6年(2024年)の点数では、以下のとおり重複投薬・相互作用等防止加算として「残薬調整に係るもの以外の場合」は40点であったため、在宅やかかりつけの場合は点数が上がり、それ以外の場合は下がった形になります。

10の2 調剤管理料

3 薬剤服用歴等に基づき、重複投薬、相互作用の防止等の目的で、処方医に対して照会を行い、処方に変更が行われた場合(別に厚生労働大臣が定める保険薬局において行われた場合を除く。)は、重複投薬・相互作用等防止加算として、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。ただし、区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料、区分番号15の2に掲げる在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料又は区分番号15の3に掲げる在宅患者緊急時等共同指導料を算定している患者については、算定しない。

イ 残薬調整に係るもの以外の場合 40点
ロ 残薬調整に係るものの場合 20点

調剤点数表 令和6年 厚生労働省告示第57号

薬学的有害事象等防止加算の留意事項

薬学的有害事象等防止加算について、厚労省の通知で出されている留意事項が以下の(1)〜(6)です。

3 薬学的有害事象等防止加算

(1) 薬学的有害事象等防止加算は、薬剤服用歴等又は患者及びその家族等からの情報等に基づき、次に掲げる内容について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更(残薬調整に係るものを除く。)が行われた場合に処方箋受付1回につき算定する。

ア 併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む。)
イ 併用薬、飲食物等との相互作用
ウ そのほか薬学的観点から必要と認める事項

(2) 薬学的有害事象等防止加算は、次に掲げる区分により算定する。
ア 薬学的有害事象等防止加算のイは、在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者において、処方箋の交付前に処方しようとする医師へ処方に係る提案(残薬調整に係るものを除く。)を行い、当該提案に基づく処方内容の処方箋を受け付けた場合に算定する。

イ 薬学的有害事象等防止加算のロは、在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者において、(1)を実施した場合に算定する。

ウ 薬学的有害事象等防止加算のハは、服薬管理指導料「1のイ」又は「2のイ」を算定する患者において、(1)を実施した場合に算定する。

エ 薬学的有害事象等防止加算のニは、アからウまで以外の場合において、(1)を実施した場合に算定する。

(3) 当該加算を算定する場合においては、重複投薬が生じる理由を分析するとともに、処方医に対して連絡・確認する際に必要に応じてその理由を処方医に情報提供すること。

(4) 薬学的有害事象等防止加算の対象となる事項について、処方医に連絡・確認を行った内容の要点、変更内容を薬剤服用歴等に記載する。

(5) 調剤管理料を算定していない場合は、当該加算は算定できない。

(6) 同時に複数の処方箋を受け付け、複数の処方箋について薬剤を変更した場合であっても、1回に限り算定する。

調剤点数表 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)(令和8年3月5日保医発0305第6号)

(1)は残薬以外に、どのような問い合わせ内容で加算が取れるかという内容です。「併用薬との重複投薬」や「併用薬、飲食物等との相互作用」は代表的なケースと言えそうです。また、「そのほか薬学的観点から必要と認める事項」という記載もあるため、ある程度は薬剤師の裁量で加算が認められると考えて良さそうです。

たとえば、アレルギー歴や副作用歴から投薬を避けた方が良さそうな薬の処方変更なども加算の対象となり得ると思います。

(2)はイ〜ニの場合分けの詳細です。在宅とかかりつけの説明、それ以外が30点のニになる説明がかかれています。

(3)は薬学的有害事象等防止加算を算定する場合に重複投薬の理由を分析して処方医に情報提供する旨が書かれていますが、「必要に応じて」と記載があるので必須ではないという理解で良さそうです。そもそも重複投薬でない場合もありえますしね。

(4)は処方医に連絡・確認を行った内容の要点と処方の変更内容を薬歴に記載しろ、という内容ですね。これは加算する場合は間違いなく必須でしょう。従来も薬歴記載は必須の認識でしたので、特に負担が増えるということでもなさそうです。

(5)はそもそも調剤管理料を算定していない場合は、薬学的有害事象等防止加算も算定できないという話ですね。剤管理料の加算なので妥当ですが、そもそも調剤管理料を算定しないケースもあまりないので、そこまで意識することでもないかもですね。(レセコンで自動的に弾かれるだろうし。)

(6) は少し注意が必要ですね。複数の処方箋について薬剤を変更した場合であっても算定できるのは1回分のみとなります。重複投薬・相互作用等防止加算から変わらないルールですが、いざその場面に立ち会うと忘れがちですね。

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